2010年07月20日
夫のこと
今日誕生日だったはず。
えーと、確か昭和28年生まれだったような・・・あれ?違ったっけ? 忘れるんだよねー。
命日も忘れそうだよ~。 今年十三回忌のはず・・・。
生きてれば57歳か、オッサンを通り越してジーさんじゃん! と、オバサンを棚に上げて言ってみます
夫はいわゆる「役者のなりそこない」でした。
大学時代にたまたま演劇を知り、その面白さを知り、のめり込んでいきました。
普段まったく本を読まない人なのに、戯曲や演劇関連の本を読みまくり。
卒業後は、夜バイトしながら稽古に励むという、舞台役者の典型的な生活だったそうです。
でも、ああいうのは才能ばかりじゃない、運もありますね。
努力すれば必ず報われるというものでもない。
数年後、役者になる夢を諦め、実家に帰るのですが、やめるのは始めるよりずーっとつらい。
自分の限界を思い知らされ、「負け」を受け入れるのは、どれほどの苦悩だったでしょう。
で、ふつーのサラリーマンになりました。
親も一安心。 これからは堅実な人生を・・・とはいかなかったんですねー。
数年で脱サラして、喫茶店を開業しちゃいました。写真がその店です。
「30歳までに自分の城が欲しかった」
のだそうです。(ギリギリ29歳でした)
天久保の喫茶店「朱里」をご存じのかたはもう少ないと思います。
バリバリの貧乏生活に戻ってしまいました~~。
さて、自分の城を得たら役者魂が復活!
常連さん相手に芝居の面白さをアツく語り、芝居の世界に引きずり込んでいました。
このころ知り合ったのですが、私もかなり影響を受けました。
卒論はサミュエル・ベケットだったし。(図情大でベケット、もう無理矢理。)
一度だけ舞台に立たせてもらったこともあります。
夫の指導で、先日亡くなったつかこうへいさんの「熱海殺人事件」のハナ子役をやりました。
とても小さな、演劇発表会みたいな感じの舞台でしたが、不思議な感覚でした。
あれにはまったら、確かに抜け出せなくなります。
舞台に魔物がいるっていうのは本当です!
でも、私には全く才能がなかったようで、その後夫は私に芝居をやらせようとはしませんでした
演劇論もいろいろあるのでしょうが、私が教えてもらったのは、
「役に熱中しながらも、冷静な第三者の目で自分を見る」ということです。
あと、市原悦子さんと菅野美穂さんはスゴイ! ということかな。 絶賛してました。
「演劇」「俳優」と言わずに「芝居」「役者」と言っていたのは、夫の矜持だったのかもしれません。
人に教えて満足したのか、その後はあまり芝居に拘らなくなりました。
喫茶店をやめて「まめぽっと」を開業するときも、わりとあっさり昔のものを捨てて来ました。
年取ったせいかもしれません。
そんなこんなで(もう書くのめんどくさいわ)、夫の誕生日にはケーキを食べてお祝いするのでした!
単にケーキ食べる口実になってるような気もしますが・・・。
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つくば市のコーヒー豆専門店「自家焙煎珈琲 まめぽっと」
住所:茨城県つくば市春日3-2-6
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営業時間:10:00~18:00 / 休業日:第2~5木曜日
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